死刑制度には、断固反対します
2018.07.11
松本智津夫死刑囚ら7人の死刑が執行されました。
まず、僕の立場をはっきりしたいと思います。
僕は、日本の死刑制度には反対ですし、今すぐに見直し、廃止すべきだと思っています。
理由はいくつかあります。
まずは、日本の裁判では、えん罪は避けられないからです。
死刑判決そのものが、間違っている可能性が十分にあります。
現に、今回も、再審請求中でありました。
僕は、一部、間違いがあったのではないかと思っています。
また、死刑に、犯罪の抑止力があるとは考えられません。
世界各国の死刑制度がない国で、日本より殺人犯罪が少ない国はたくさんあります。
死刑制度によって、自暴自棄になり、第2第3の殺人を犯すこともあります。
死刑で事件が解決するとは考えたくないし、罪を償うこととは、犯した罪を反省し過ちに気付くことだと思っています。
ここからは少し私情が入ります。
事件に直接関わらないすべての人が被害者感情に立つことは恐ろしいことだと思います。
例えば、「あんなひどい奴は死刑だ」というように。
自分、もしくは、自分の家族が、加害者になる可能性だってあるのです。
被害者の家族の心情を思うのならば、加害者の家族にも思いをはせてみたいと思うのです。
なぜ罪を犯してしまったのかと。
罪と向き合うことが大事なことだと思います。
「なぜ」という問いを、加害者、もしくは私たちも持つ必要があります。
それに…、死刑は、殺人です。
殺人は、理不尽です。
いかなる場合であれ、殺人を、理不尽なことを認めたくはありません。
最後に、僕が30年前に京都の大谷専修学院で教えていただいたことです。
「いのちは、それを愛そう愛そうとする者のものであって、
決して、傷つけようとする者のものではない」
僕たち人間には人を本当に愛することができません。
自分に都合のいいときは、愛すると言いますが、都合が悪くなった途端に、相手を傷付けようとします。
条件付きなのです。
自分の体でさえ、健康に気遣っていると言いながら、実は傷つけています。
僕がそうです。メタボです…。
では、このいのちを無条件に愛そう愛そうとするものは?
そのはたらきに、お釈迦さまは「阿弥陀」と名前を付けられました。
私たちの本尊、阿弥陀如来です。
つまり、いのちは人間に属するものではありませんので、人間が殺してはいけないのだと教えていただきました。
いのちを殺してはならない
いのちを殺させてはならない
いのちは殺されてはならない
仏の教えです。
以上の理由から、僕は、死刑には断固反対します。