根はみえねんだなあ
2018.03.04
最近、あるお寺さんがご門徒さんに毎月出されている「はがき通信」の中の「今月の言葉」に、相田みつをさんの言葉が紹介されていました。
花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根
根はみえねんだなあ
根は大事ですよねえ。
見えないんですけど、見えているところをすべて支えているのは、根なんですよね。
そこで思い出しました。
次にあげた詩は、相田みつをさんの詩の中で、僕が一番好きな詩です。
トイレの正面に、額装して今も飾っています。
「いのちの根」
なみだをこらえて
かなしみにたえるとき
ぐちをいわずに
くるしみにたえるとき
いいわけをしないで
だまって批判にたえるとき
いかりをおさえて
じっと屈辱にたえるとき
あなたの眼のいろが
ふかくなり
いのちの根が
ふかくなる
若い頃、オフィス家具の営業販売会社に勤務していましたが、理不尽なことだらけの毎日を過ごしているときに、この詩で前向きになれました。
すでに、僧籍がありましたので、社会をどこか冷めた眼で見ていたのだと思います。
この社会に、仏教が関わるきっかけなんて無いんじゃないかと。
でも、僕が生きていく場所はここなんだと、今経験していることは、きっと自分を成長させ、深みを持たせてくれるんだと、ここに仏の教えが生きてはたらくんだと、そう思えました。
昨日のことでしたが、そんなことを思い返す前に、すでに、お寺の掲示板のことばを選んでおりました。
出遇いが人を 育てていく
別れが人を 深めていく
深まるのは、きっと、「いのちの根」ですね。