住職の日記

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11月の掲示板のことばと住職の感想

2025.11.01

11月の掲示板のことば

 

「唯」は、ただこのことひとつという

 

 ふたつならぶことを

 

   きらうことばなり

 

親鸞聖人『唯信鈔文意』

 

住職の感想

 

私が大切にいただいている親鸞聖人の言葉の一つです。

私が35年ほど前に京都の大谷専修学院で出会った先生とは、卒業以来年賀状のやり取りをさせていただいておりました。

先生からの年賀状には、毎年同じ言葉なのですが、先生が大切にされていた教えの言葉、それもその先生が出会った恩師から受け取った言葉が記されていました。

たくさんの教え子がいらっしゃるから、年賀状を出すのも大変だな、程度に思っていたのですが、その先生が数年前にお亡くなりになりました。

そうしますと、当然その翌年の年賀状は来ません。

30年も経って、そこで私はようやく気づいたのです。

先生は、毎年毎年、繰り返し繰り返し、「このことひとつ」を私たち教え子に伝えてくださったのだと。

『歎異抄(たんにしょう)』には、親鸞聖人の晩年、関東の門弟たちが命懸けで京都にいらっしゃる親鸞聖人を訪ねて来られた時、親鸞聖人は門弟たちが浄土往生の要(かなめ)を聞きに来たのだろうと察し、「親鸞におきては、ただ念仏して、弥陀(みだ)にたすけられまいらすべしと、よきひとのおおせをかぶりて、信ずるほかに別の子細(しさい)なきなり」と、親鸞聖人が法然上人からお聞きした「このことひとつ」が記されています。

また、親鸞聖人の信仰を詠った「正信偈」には、インド・中国・日本に渡る親鸞聖人にとって大切な7人の先輩方から受け取られた「このことひとつ」、本願を信じ南無阿弥陀仏と念仏申し生きる道を「唯」という文字を使って表されます。

あれかこれかで生きている私たちに、比べることのできない「このことひとつ」を選び取ることの大切さが教えられます。

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