杉山平一 『生』
2017.05.23
ものをとりに部屋へ入って
何をとりにきたか忘れて
もどることがある
もどる途中でハタと
思い出すことがあるが
そのときはすばらしい
身体がさきにこの世へ出てきて
しまったのである
その用事は何であったか
いつの日か思い当るときのある人は
幸福である
思い出せぬまま
僕はすごすごあの世へもどる
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杉山平一さんの、『生』という詩です。
人として生まれて、この世界との縁が尽きれば、いのちは本来の場所へ還(かえ)ってゆきます。
還るまでに、なぜ僕は生まれてきたのか、いつか思い出す時が来るのでしょうか。
なぜ生まれ、なぜ生きるのか…。
実は、僕なりに分かっているような気がするのですが…。
南無阿弥陀仏