7月の掲示板のことばと住職の感想
2023.07.02
7月の掲示板のことば。
どの草花にも 必ずそこで
生きる 理由がある
朝ドラ『らんまん』より 槙野万太郎
住職の感想です。
2ヶ月続きますが、朝ドラ『らんまん』からの言葉です。
この言葉は、幕末の上野戦争で生き残った侍崩れの倉木という男が、挫折を抱え自らを雑草に置き換え、「なぜ雑草に金を払う? 誰の目にも入らねぇ。
入ったとて、疎まれ、踏みにじられ・・・。
踏みにじったことも誰も覚えてねぇ。
雑草なんか生えててもしょうがねえだろうが」と万太郎に言った時、万太郎は「雑草いう草はないき。必ず名がある!」と言い「わしは信じちゅうき。どの草花にも必ずそこで生きる理由がある。必ず!」と言ったのです。
不思議なものです。我が家の玄関前の石の間から「雑草」らしきものが生えていたのですが、なんだかお花が綺麗で、検索してみたところ、「オニタビラコ」という名前のお花でした。
名前を知ってしまったら、雑草とは思えないのですね。
もう、抜けません。
そこで、先の万太郎の言葉を思い出しました。
名を知るということは、いのちの意味を知ることなのです。
そこで生きる理由を知るのです。
このドラマのモデルである、「日本の植物学の父」と言われた牧野富太郎さんは、多数の新種を発見し、名前を付けられました。
「雑草という草は無い」という言葉は、牧野富太郎さんの言葉として遺されているようです。
私たち一人ひとりにも名前があります。
名を持ったかけがえのないいのちには、その全てに、必ず「いま、ここ」に生きる意味があるのです。