5月の掲示板のことばと、住職の感想
2023.05.01
5月の掲示板のことば。
生きるとは
自分の物語を つくること
河合隼雄
この言葉は、河合隼雄さんと小川洋子さんの対話『生きるとは、自分の物語をつくること』よりいただきました。
河合さんは、心理学者でいらっしゃいましたが、主にユングの分析心理学、臨床心理学を専門にしていらっしゃいました。
私は、お寺のホームページに、「真実(まこと)の「ものがたり」が語られ、そして、一人ひとりの「ものがたり」を紡いでいけるような、そんなお寺にしていきたいと思っております」という呼びかけの文章を掲載していますが、これは河合さんの影響によるところがとても大きいのです。
かつて私は河合さんのファンで、多くの著作を読ませていただき、私たち人間には「ものがたり」が必要不可欠なのだということを教えていただきました。
「ものがたり」を読み、「ものがたり」を語り、「ものがたり」を聞き、「ものがたり」を紡ぎ、・・・「ものがたり」を生きる。どれもが不可欠です。
私たちは、小説を読むこと、映画やドラマを観ること、絵本や児童文学を読むこと、昔話を聞く(読む)ことに夢中になります。
それらを通して私たちは、たくさんの、さまざまな、そして不思議な「ものがたり」を体験しているのです。
多くの「ものがたり」を体験することで、私たちは自分自身の「ものがたり」を紡いでいるのです。
それが、「生きる」ということなのでしょう。