5月の掲示板のことばと、住職の感想です。
2020.05.08
まずは、乾示板のことば。
失った物ばかり 数えるな!!
確認せい!!!
お前にまだ 残っておるものは
何じゃ!!!
『ONE PIECE』海侠のジンベエ
住職の感想です。
新型コロナウィルスの感染拡大による「いのち」の不安を抱えて生きる昨今、多くのものや、事がらを失ってしまったと思っていました。
お寺での「つどい」はすべて中止です。
ご法事も、ほとんどが中止されています。
通夜・葬儀は簡略化され、仏の教えを伝える機会が失われています。
皆さんも感じていることとは思いますが、人との接触を避けるよう自粛している中で、コミュニケーションの機会は、どんどん失われているのではないでしょうか?
それにより、地域のつながりは失われ、経済活動が失われ、思考することすら失われてしまうのではないかと、不安は日を追うごとに大きくなっていきます。
そんな日々を送っていたある日、自宅でアニメ「ONE PIECE(ワンピース)」を読み返していたときに、この言葉に再び出会いました。
僕は、あれが無くなってしまった、これも無くなってしまったと、失ったものや事がらばかりに気をとられ、残っているものがあることに気づきませんでした。
家にいる時間が増えることにより、家族と過ごす時間が増えました。
ドラマの再放送を見ながらいろいろな話をしています。
歌番組で昔の歌が流れると、子ども達が小さかった頃を思い出します。
インテリアになっていた本を読み進めることができました。
何より、自分中心に生きている姿と向き合うことができました。
残っているものだけではなく、新たな出会いだってあることに気づきました。