11月の掲示板のことばと、住職の感想
2023.11.01
11月の掲示板のことば。
世のなか安穏なれ 仏法ひろまれ
親鸞聖人
住職の感想です。
11月28日は親鸞聖人のご命日と伝えられ、京都の本山・真宗本廟(東本願寺)では28日を結願として一週間、報恩講が勤まります。
それにならい全国の末寺でも報恩講が勤まります。
ですので、今月は親鸞聖人の言葉にいたしました。
この言葉は、親鸞聖人がその晩年、京都から関東のお弟子さんである性信坊にあてて書かれたお手紙に記されています。
性信坊は、関東の門弟たちのリーダーとして、念仏に対する訴訟に当たっており、その性信坊を励ますお手紙を親鸞聖人は書かれます。
大変だろうけども、共々に念仏申し、まずは我が身の往生が定まることが大切なことだと。
そして往生定まりし後には、「世の中が安らかで平穏であるように、そして仏法がひろまるように」とお考えになることがよろしいでしょう、と、念仏する者と社会との関わりをお伝えになっています。
いま世界では、いのちを傷つけあう争いがあちらこちらで起こっています。
正しさを主張すると、争いになります。
戦争は、正義を主張する者と正義を主張する者の戦いです。
しかし、いのちを傷つけあっていることは、どちらも大きな過ちを犯していることになります。
正義などというものは無いのです。
いのちを傷つけあうことに痛みを感じ、共に安らかで平穏な世界を回復するためには、私たちはどうしたらいいのでしょうか。
仏法ひろまれ、と願わずにはおれません。