新しい年を迎え、掲示板のことばを替えました。
2020.01.08
皆さま今年も、よろしくお願いいたします。
さて、今月の掲示板のことばです。
仏は 人を鏡として 仏と成る
人は 仏を鏡として 人と成る
曽我量深
新しい年を迎えました。1月は「成人式」がありますので、「人と成る」ということを考えさせていただきたく、この言葉を選んでみました。
この言葉は、明治から昭和を生きた真宗大谷派の僧侶でいらっしゃいました、曽我量深という方の言葉です。
「鏡」とは、自分の姿を映すものですね。
では、私たちが見ている「鏡」は、本当の自分を映しているでしょうか。
僕は、そこに本当の自分は見えていないと思っているのです。
おそらく、もっともらしい顔をした、相手によって姿を変えているような自分が見えてはいないでしょうか。
そうであるならば、本当の自分はどうしたら見ることができるのでしょう。
仏が人を鏡とするということは、仏の覚りが人の迷いや苦しみに応えているということでしょう。
人の迷いや苦しみに応えてこそ、仏は仏に成ることができるのです。
本当の仏の姿は、人の上に見ることができるのです。
では、人が人と成るとはどういうことでしょうか。
僕は、本当の自分に出遇うことだと思うのです。
仏の教えに、この私が何に迷い、何に苦しんでいるのかという自分のいのちのすがたをたずねていくのです。
その迷いに応えんとする仏の上に、本当の自分が映し出されるのでしょう。