12月の掲示板のことばと、住職の感想です。
2019.12.01
まずは、掲示板のことば。
死は いつか来るもの ではなく
いつでも 来るものなの
樹木希林
樹木希林さんらしいと言いますか、なるほど…と思いますね。
でも、なかなかこうは思えません。できることなら、死は遠ざけておきたい…。
現代を生きる私たちは、「死」をなるべく遠ざけて、「死」には触れることなく生きていたいのです。
大切な身内が「死」を迎えた時にも、自分にとって「死」は非日常的なことにしたいですから、お葬式に参列したときには、自宅に入る前に玄関先で、自分の体に塩を振りかけて、そこで「死」に触れたことをリセットし、いつもの日常生活に戻ってゆきたいのです。
しかし「死」は、実は日常です。
樹木希林さんは、「いつでも来るもの」だとおっしゃいます。
それはなんとなく分かってはいるのです。
生と死は、紙の表と裏のごとくに、どちらも私のいのちの営みなのです。
でも、できればそれは「いつか」であって、「いつでも」とは思いたくないのです。
「死」が日常であることを教えてくれるのが、「葬儀」の場なのではないでしょうか。
大切な方の「死」を通して、私も例外なく「死」を迎えることを意識します。
考えたくなかったことでしょうが、「死」はこの私にとっては身の事実です。
その事実に気づくことは、とても大事なことです。
「葬儀」は、亡き方より「死」を教えていただく大切な場なのです。